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楽天証券のBRICs投資情報の中の広瀬 隆雄氏「ADRを利用したBRICs投資」からの情報です。 これによると次のようにクロージングされています。 所得水準、教育水準、生活水準など、日本人は何事も「平均」で物事を考える傾向があります。しかし、旧社会主義ないし共産主義国が経済発展するということは即ち貧富の差が拡大してゆくプロセスにほかならないわけですから、平均にとらわれすぎると投資判断を誤る結果になります。 思うに・・・ 現在の日本的な発想だと確かに、”現在の事象⇒予想される結果”が異なってきますから、その結果を招くまでのプロセスというフィルターをキチンと理解することがとても大切になりますね。 一昨年、上海のビジネスの現場を見学する機会がありましたが、中国のホワイトカラーは日本のそれとは全く違うものでした。彼らにとって、仕事のやりがいとか大きさとかというものはあまり大きな意味をもたないようでした。 給与が同じであれば、どの地域のどのビルに勤務するのか、それが優秀な社員を採用する上で決定的な要因になるそうです。 インドの社会 インドは多宗教、多言語、多民族の国家です。宗教の内訳は: ヒンズー教 82% 回教 12% キリスト教 2% シーク 2% 仏教 1% などです。一方、言語では公用語はヒンディー語。英語も公用語扱いですが英語を話せる人は少ない(英語を主として話す人口はインド全体の0.3%、セカンド・ランゲージとして英語を話すのは全体の1%未満)です。このほか、ベンガル語、グジャラット語、タミル語、カシミール語など多様です。次に民族を見ると: インド・アーリア系 72% ドラビディア系 25% モンゴロイド系ほか 3% となっています。 このため、国民の利害をまとめるのは単一言語、単一民族国家である日本よりかなり難しいと言えるでしょう。加えてインドにはカースト制度という伝統があります。カーストはポルトガル語のcasta(種族)から来ています。インドの独立以降、カースト制度は外見にはかなり変化しています。インドの憲法がカーストに基づく差別を禁止しているのはその一例です。しかし、カースト制度は何百年も続いてきた習慣で、現在でも人々の行動やものの考え方、社会や家庭の形成において根強い影響力を持っています。カーストの影響はインド人がものを考える時、1.上下の関係(ヒエラルキー)で捉える、2.浄・不浄という観念で捉える、という2つの軸を与えていると言えるでしょう。 上下の関係で言えば、例えばビジネスの場面で上司をchachajiという敬称で呼ぶのはそのひとつの例です。 一方、浄・不浄の観念はカーストに基づいており、「身分の高いものは浄、身分の低いものは不浄である」という先入観があります。例えば身分の高い Brahmanは身分の低いMehtarより清潔であるとされます。身分の低いものが調理した食事を口にしたり、身分の低いものが汲んで来た水を飲むと身分の高いものが「不浄になる」という考え方は今でも根強く残っています。 こういう習慣が出世や、婚姻など、様々な局面で影響してくるのは言うまでもありません。例えば、インドの教育水準は国民全体の平均でみると中国などのエマージング諸国より低いです。その一因は低いカーストに属する子供達の場合、折角、学校に通い始めても生活が苦しいので働くためにドロップアウトするなど、社会・経済的な理由にあるとされています。 インドはこのように多民族、多言語、多宗教で、さらに階級意識が強く、社会的モビリティー(地位の向上)が低いですから、この国の教育水準とか生活水準を全体的に「底上げ」するのは並大抵の努力ではないことが察していただけると思います。 その一方で、例えば英語が話せてコールセンターなど新しいタイプの職場に就職できるというのはカーストの差別を克服する数少ない機会を提供しています。われわれ日本人の感覚で言えばコールセンターの仕事は単調で退屈だから、インドでも「高等な教育を受けた人間がコールセンターの仕事に就くと幻滅する」などという議論をするアナリストや経済学者がいますが、この考え方は現地の人に言わせると間違っているそうです。ITアウトソース企業やBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)、製薬業界などのインドのニュー・エコノミーの雇用機会が社会的モビリティーの数少ない提供者である以上、今後も優秀な学生をどんどん集め続けることは可能でしょう。 これはインドだけでなく、他のBRICs諸国にもあてはまりますが、所得水準、教育水準、生活水準など、日本人は何事も「平均」で物事を考える傾向があります。しかし、旧社会主義ないし共産主義国が経済発展するということは即ち貧富の差が拡大してゆくプロセスにほかならないわけですから、平均にとらわれすぎると投資判断を誤る結果になります。
by snikami
| 2006-01-28 19:05
| 株式や投資
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