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これは「論理的思考の技術」に書かれていたひとつの例です。おもしろい話なので全文紹介しましょう。 ついつい陥ってしまう「誤った選択の螺旋」 状況によっては、損失を生じたために、ある意思決定を放棄するか、その損失を取り戻そうとして、当初の計画を続行するかのジレンマに陥ることもあります。そんなマイナスの結果の穴埋 めをすることは必要ですが、さらなる損失をもたらす「エスカレーション」(段階的拡大)を避けることも大切な問題になってきます。 小心者の投資家が1株75万円で、ある保険会社の株式を10株、合計750万円分、購入したと仮定してください。 数日後、その株価が市場の強い影響を受けて1株45万円に下がった後、再び65万円に値を戻しました。そして、2週間後に1株40万円になったのです。株価が購入時の半分近くになったこのとき、その倹約家にどうして株式を売らないのか尋ねたなら、750万円で買ったものを400万円で売ることはできないと答えるでしょう。 実は、これもまたエスカレーションの一種なのです。経営学の用語では「埋没コスト効果」(回収不可能な出費)とよばれています。 つまり、実際には手元には400万円の資金があって、株価がすぐに元値に戻ることが予想できなくても、その400万円を最大限に生かした新たな投資ができることを、この投資家には理解できないわけです。 この事例は、誤った結果を招いた手段を修正しようとする意思決定が、多くの場合に採用されない理由を説明してくれます。 つまり、その意思決定を先送りするのは、現実の姿を直視したくないという心理的な要因によ るものです。ちょうど、幼児が何か嫌なものがあると、そこから遠ざかるつもりで顔を隠すのと 同じようなものです。 そのうちに何とかなるだろうといった期待や、情緒が合理主義的な考え方に与えるマイナスの 影響、社会的な圧力などが関わっています。誤った選択をした人は自分の犯した誤りを自分自身では認めたくないものですし、とりわけ他の人たちに、これまでの自分とは違ったイメージを与えたくないと思うものです。 ここで私のコメントは何も必要ないと思います。投資のジャンルに入れましたがこのエスカレーションは我々の周辺で起こりがちなことです。悪いスパイラルに巻き込まれないように立ち止まる心の余裕が必要なようです。 立ち止まって、安岡先生の言うようにものごとを多面的にみてみると何かに気づくかもしれませんね。 by snikami | 2006-02-15 20:57 | 株式や投資
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